「丈夫で育てやすい植物は?」
花屋である私は、そんな質問をよく受けます。その時、必ず聞くのは「どこで育てますか?」と。
屋内で育てる、屋外で育てる、庭に植える・・・「育てる場所」で回答(丈夫の定義)は変わります。今回は「室内で育てる」観葉植物のことを掘り下げて書きますね!
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丈夫で育てやすい観葉植物、3つの条件
植物を選ぶ際、私達がお伝えしてる1番大事なことは「見た目が好みか?」という点。ビジュアルが気に入らないと、お世話も長続きしません。
ただ、ビジュアルだけで決めるのは危険。植物ごとに「簡単」「難しい」は存在します。それらを測る3つの指標が下記となります。
- 温度の順応性(寒さ、暑さに強い)
- 光への順応性(陰、直射日光に強い)
- 水やりの順応性(乾燥、根腐れに強い)
屋内管理と言っても、暗い、寒いなど条件は様々。植物にかけれる時間も、一人一人違います。
どんな場所にも置くことができて、
水やりを多少間違っても許してくれる植物
e-花屋さんでは、こういう観葉植物を「丈夫」と定義してます。
①温度の順応性(寒さに強い観葉植物)
温度、光、水。植物選び3つの指標。
まずは「温度」から。
観葉植物は「寒さが原因で枯れる」ケースが多いです。何故なら、花屋さんでは寒さに強い植物、寒さに弱い植物、区分けなく陳列されてます。なので耐寒性(=植物が耐える目安温度)を気にせず購入してしまう人が多いのです。
植物ごとに耐寒性は違いますが、ざっくり4つのグループに分かれます。
- 12℃以上ないと危険(寒さが大嫌い)
- 8℃以上(寒さが苦手)
- 5℃以上(そこそこ寒くても大丈夫)
- 5℃未満(寒さに強い)
「寒いと危険」な観葉植物(12℃以上)
「家が寒い」と感じる方は購入は避けた方がいいグループ。外出中や深夜でも、12℃以上保てないと植物が傷む可能性があります。
幸福の木(マッサン)、ディスキディア、斑入りモンステラ、アンスリウム、マドカズラ、旅人の木など。
「寒さが苦手」な観葉植物(8℃以上)
「家が寒い」と感じる方は購入を悩んだ方がいいグループ。
とはいえ、最近は家の気密性が上がってます。リビングなら、真冬でも8℃以下にはならないのではいのでは?
モンステラ、ドラセナ類、アレカヤシ、ポトス、コーヒーの木、ウンベラータ、ペペロミア、フィロデンドロン、パキラなど
※一瞬でも8℃を下回るとダメ・・みたいな感じではないです。水を控えめに管理していれば、耐寒性は向上します。
「寒さに耐える」観葉植物(5℃以上)
室内なら、ほぼ大丈夫。ただ「北側の玄関」みたいな場所だと、注意は必要です。暗いと室温もずっと寒いままなので。
インドゴムの木、ベンガレンシス、ストレチアオーガスタ―、コウモリランネザーランド、エメラルドウェーブなど。
※人気のガジュマル、フランスゴム、ホヤなどは5℃グループと8℃グループの中間ポジションです。5℃でも平気ですが、「常に5℃前後」だと傷んでしまうかも。
「寒さに強い」観葉植物(0℃以上)
会社の玄関先や、ロビーの様に「0℃までにはならないけど、かなり冷える」場所に植物を検討するシーンはありますよね。大型植物とか。耐寒性のチェックを忘れずに!
シュロチク、観音竹、青年の木(ユッカ)、ホンコンカポック、ポニーテール、ソフォラ、シュガーバインなどは(環境に慣らしてしまえば)0℃でも耐える植物たちです。
②光への順応性(陰に強い観葉植物)
観葉植物の殆どは、「明るくて風通しの良い場所」を好みます。「強光が苦手」とか「日陰が好み」みたいに言われるシーンもありますが、それは屋外植物の話。室内は屋外に比べて光量も紫外線も弱いので「窓の近く」に越したことはないのです。
とはいえ、窓から離れた場所に植物を飾りたい時ってありますよね。
「観葉植物をインテリア雑貨のような感覚で。」そんな時こそ、丈夫な植物の出番です。
陰に強い植物3選:サンスベリア
サンスベリアは、陰に強い、寒さに耐える、水やり簡単。3拍子揃った、正真正銘、丈夫な植物。
「窓の無いトイレに植物を飾りたい」と質問されますが、基本的にはどんな植物もNG。ですがたとえば、サンスベリアを複数鉢用意。トイレと明るい場所、ローテーションで置き場所交換すれば大丈夫だと思います。それくらい、悪環境にも耐える植物です。
陰に強い植物3選:エアープランツ
エアープランツも陰に強いです!土が無くても生き延びるので、部屋のいたるところに飾れます。インテリアグリーンとしての活躍度はトップクラス。
ただ健全に育てたいと思えば、光であったり、風は必要。そんな場所では「花」を咲かすこともあります。エアープランツ、実は「楽しみPOINT」がたくさんあるのです。
陰に強い植物3選:ポトス
お馴染みの「ポトス」も耐陰性が高い植物。
一般的に植物は「暗くて枯れる」ことは滅多にありません。新聞の字も読みづらいような暗い場所に四六時中置いておくのは危険ですが、「暗くて枯れた」というケースは滅多に聞きません。ですが植物は、暗いと徒長(=だらしなく伸びること)します。姿が崩れるのです。
そんななか、ポトスは「徒長しても姿が崩れにくい」のが特徴。ツルは伸びますが、大きく形が崩れることはありません。
③水やりの順応性
最後は水やり。
「土が乾いたら、水を与える」これを守れば、殆どの植物は大丈夫。ですが根腐れさせたり、乾燥で枯らす人も多い。簡単そうで、難しい。
「土が乾いたら」が意外と解りづらいのではないでしょうか。
「ちょっとくらい、水やり忘れても」
「ちょっとくらい、水が多かったとしても」
我慢してくれる丈夫な植物は存在します。
パキラ、ゴムの木などは幹に水を貯えることができるので、雑な水やりでもそこそこ耐えてくれます。
水のタイミングがわかりやすい植物たち
パキラやポトス、シダ植物なんかは、水が少なくなると葉が下を向きます。土を見ずとも、遠くらからでも「水が欲しいSOSサイン」がわかります。これは初心者さんにとって、ありがたいPOINTだと思います。
「容器を見ればわかる」ケースもあります。
水耕サボテンは、水が少なくなってきたら補給すればいいのです。
e-花屋さんは、植物ライフを応援します
観葉植物、残念ながら過去に枯らした人は多いと思います。けど、ナーバスにならないでください。花屋のスタッフも、プロの農家でさえも枯らすことはあります。
けど、注目すべく調査データーがあります。
8割以上の人が、枯らしても「造花やドライより、本物の植物をまた購入したい」と思っておられるのです。
e-花屋さんでは、そんな人たちを応援したく、観葉植物を集めてます。
丈夫な植物はもちろん、そうでない植物であっても「ケアするポイント」さえわかれば、十分に長く楽しめます。1点、1点の植物に、植物ごとの育て方ガイドを付けてお届けしてます。
この記事を書いた人
古永 崇 | e-花屋さん店長
園芸店に勤めて20年。e-花屋さんの立上げて15年となります。
消費者視点を忘れずに、疑問に思うことなどを掘り下げ研究中です!「初心者を中級者に引き上げる」のがe-花屋さんのミッションです!
Q&A |
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冬は寒いので種類は限定されますが、春~秋なら殆どの観葉植物が屋外で育てることができます。ただ屋外は日光がきついので、軒下の方が育てやすいと思います。 屋外なら雨が当たるので、ある程度は耐えてくれると思います。大型の鉢を用意し、日陰で育てれば水はほとんどいりません。 コウモリランやリプサリスなど「吊り下げる植物」がお勧めです。大型の植物は部屋にマッチするとおしゃれですが、部屋が狭くなってしまいます。 |