古永店長からのワンポイントアドバイス
ブルーベリー育てるコツは?
ブルーベリーを「鉢植え」で上手く育てる方法。ポイントは「苗木選び」と「鉢の大きさ」。ブルーベリー栽培は考える要素が多すぎて、情報が混雑してます。なのでわかりやすく、「鉢植え」にフォーカスして解説していきます!
目次 (クリックでスクロール)
ブルーベリーの木の魅力。基本情報
ブルーベリーは「果実」や「健康効果」が注目されがちですが、「植木」としても非常に魅力的です。庭がない人でも「鉢植え」で十分に楽しめます。
【ブルーベリーの木、4つの魅力】
- ブルーベリーの木は、ビジュアルがいい
- 春の到来を告げる、清楚な花も咲く
- 結実した実は、徐々に色が濃くなる。収穫が近づく高揚感
- 美しい新緑。寒くなると紅葉でも楽しませてくれる
ブルーベリーを大量に収穫したいと思えば、畑が必要です。支柱を立てて、土壌を改良して・・・大変です。ただ、「ブルーベリーを毎日、大量に食べたい」という人は少ないのではないでしょうか。ちょっとでいいのでは。
「玄関前を彩る植木として。収穫も楽しめたら、なおいいな。」
ぐらいであれば、ブルーベリーは玄関前でのコンテナ栽培で十分に楽しめます。
朝採りの果実をヨーグルトに入れたり、ジュースにしたり。楽しむためのコツ、お伝えしていきますね!
「鉢植えに向き」ブルーベリーの選び方
注意!「地植え向き」「鉢植え向き」が混在してる
ブルーベリー、育て方は簡単。ですが「選び方」が難しい。
たとえば園芸店に行くと、ブルーベリーの木は何種類も売ってます。品種もたくさんあるので「ブルーベリーコーナー」もあるくらい。
注意してほしいのは、殆どの店は「地植え向き」「鉢植え向き」という区分けをしてません。何故なら「地植え向きの苗木」を鉢で楽しむこともできるし、「鉢植え向きのブルーベリー」を地植えにすることもできます。なので普通は、こういった区分けをしません。
ですが、何でもいい訳ではありません。
「玄関前の植木として、ある程度のビジュアルを期待する」
「初年度から、ある程度は収穫を楽しみたい」
こういったように、「なぜブルーベリーを育てるの?」という目的を整理すれば、最適な商品はあるのです。
ブルーベリーは育て方より、選び方が難しい?
ブルーベリーを始めたい。そう思っても、ハードルが高くて断念された人も多いのではないでしょうか。多くの人がぶつかる「品種選び」問題。
一般的に、
ブルーベリーは2品種以上育てないと果実が取れない
と言われてます。さらに2品種とは、同一系統の品種を選ばなくてはなりません(悩)
系統 | 特徴 | 栽培地域 |
ラビットアイ系 | 暑さに強く、寒さに弱いので、樹勢が強く剪定が欠かせない。土壌適応性が高く育てやすい | 温暖地〜暖地 西日本など |
サザンハイブッシュ系 | 暑さに強い一方、やや寒さと乾燥に弱い土壌適応性が低く、細かな土壌酸度調整が必要 | 温暖地〜寒冷地
関東〜東北南部など |
ノーザンハイブッシュ系 | 耐寒性が高い一方、夏の暑さや乾燥に弱い。土壌適応性が低く、細かな土壌酸度調整が必要 | 寒冷地〜寒地 北海道、東北地方など |
大型の園芸店に行けば、ブルーベリーは50品種くらい売ってます。(全部で300品種あると言われてます)
私も過去に、悩んで、悩んで、2品種のブルーベリーを選んだ経験があります。ですが、そこで力尽きて上手く育てることができませんでした。
こういった経験から、ズバリ伝えたいと思ったのです。
「初心者さん向けのブルーベリー」、鉢植えならコレがいいですよ!と。
【初心者おすすめ】ブルーベリーガルフコースト
家庭菜園では、レモンなどの柑橘果樹や、野菜が人気。ただこれらは「虫が付きやすい」という欠点があります。園芸初心者さんには、少しハードルが高い気がします。
その点、ブルーベリーは虫が付きにくい。葉色も綺麗です。なので玄関前で「植木」として育てるのに持って来いの植物だと思ってます。
なんとか広めたいと、ブルーベリー専門農家に知恵を仰ぐことにしました。
ブルーベリー栽培を始めて25年以上。これまで15品種以上のブルーベリーを扱ってきた万華園の中村さんに、おすすめを聞きました。
【ガルフコーストを勧める理由】
- 樹形がきれい。植木としても素敵!
- 樹勢が強い。だから育てやすい!
- 実が付きやすい(1本でも結実する可能性有り)
ブルーベリー ガルフコースト基本情報
| 英名 | Gulfcoast| 系統 | サザンハイブッシュ系
| 樹形 | 半直立性~直立性
| 耐寒性 | -5度程度まで
| 耐暑性 | 強い
| 開花時期 | 4月上旬~中旬ごろ
| 収穫時期 | 6月中旬~7月中旬ごろ
| 果実の大きさ | 小粒~中粒
| 推奨受粉樹 | シャープブルー、ミスティー
【鉢植え】ブルーベリーの育て方のコツ
苗木選びと、植え替え推奨サイズ
ブルーベリーは小さな3号苗から、10号の大株まで色々販売されてます。
その中でも「玄関前の植木」として楽しむなら、推奨は6号サイズ!10号とかだと値段が高すぎるので、6号くらいから始めるのがコスパ的に良いと思います♪
2回りほど大きな鉢に植え替えれば、1~2年で存在感ある植木に変化します!
※植え替え用土は、ピートモス(ph未調整)かブルーベリー専用培養土で。保湿環境と酸性土壌を好みますので、専用用土をご使用ください。
置き場所・栽培環境
日当たりが理想です。極度な乾燥を嫌いますので、夏は半日陰に移動した方が水やりが楽になります。玄関が北側の場合は、観賞期である4月~7月は玄関前。それ以外は日当たりの場所に移動すると良いと思います。
ブルーベリーの水やり
ブルーベリーは湿地帯に生える植物です。なので普通の植物より湿度を好みます。
(土が乾ききる前に、水をタップリ与えるイメージです)
水のペースは「鉢の大きさ」「使用している土」によって異なりますが、高温期は朝・夕と2回水を与えるのが一般的です。
肥料
春先、花後、秋に与えます。植え替える場合は、元肥も混ぜて下さい。化成肥料で大丈夫です。
ただ人間がバランスの良い食事を好むように、植物も数種類の肥料を与えた方が喜びます。なので2年目からは有機肥料を混ぜると良いと思います!
ブルーベリーの剪定時期・やり方
収穫を終えると、果実を採った枝は次第に枯れてきます。
なので収穫した枝は、節までさかのぼってカット(剪定)してください。
ブルーベリーは品種によって枝が暴れることがあります。
その点、お勧めしたガルフコーストは剪定せずとも綺麗な樹形を維持しやすい品種です。
※お盆以降は、剪定を控えます。(来年の花芽分化が始まってます)
枝を整理するなら、落葉期の剪定がおすすめです。春が近づくと、枝に付いてる「花芽」と「葉芽」が判断しやすくなります。(花芽は枝先に付くことが多く、葉芽よりプックリ膨らんでます)
なのでこの時期に、(花芽を確認しながら)不要な枝を整理すると剪定がしやすいと思います。
※不要な枝とは、細い枝であったり、弱い枝であったり。こういった枝は花芽が付いていたとしても、枝の力が弱いので美味しい果実は期待できません。なので花芽が付いていたとしても、根元からカットします。
結実について
ブルーベリー、結実には2本(異なる品種)植えておくと結実しやすくなります。受粉作業は、虫に任せて大丈夫です。(万華園では、受粉のために蜜蜂を放ってます)
ただ紹介しましたガルコーストは、自家受粉性があるため2品種植えずとも結実することがあります。(必ず実がなるとは言い切れませんが)
・2本植えずとも結実が期待できる、ブルーベリーガルフコースト>>
この記事を書いた人
古永 崇 | e-花屋さん店長
園芸店に勤めて20年。e-花屋さんの立上げて15年となります。
消費者視点を忘れずに、疑問に思うことなどを掘り下げ研究中です!「初心者を中級者に引き上げる」のがe-花屋さんのミッションです!
Q&A |
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栽培環境・育て方によりますが、基本的には10年、20年と育てることは可能です。
2~3年に1回のペースで植え替えするのが一般的です。(それ以上時間が経つと土が劣化し、管理が難しくなります)
品種により耐寒性は異なります。 |